鹿島臨海鉄道6000形
お手入れ記-ディテールアップ
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線開業時に金型をおこされたKATOの6000形。それから30年以上経つも、仕様を変えられずに現在に至る。
それゆえに、近頃の車両たちからはすこし取り残されてしまっているところもあるので、ここではそこをカバーしている。
●カプラー交換
製品状態では台車マウントのアーノルドカプラーが装備されていて、先頭に立たせると見た目にイマイチ。いまは様々な種類のリアルなカプラーが売られているので、いろいろな製品と交換してみた。
まずは実車写真。全体が非常にコンパクトにできていて胴受が貫通扉下の幅で完結しており、その横すぐのところからジャンパ管がでている。ちなみに胴受下の板はATS車上子の保護板。
⬛改造例①
とにかく印象が実車に似るようにと検討した結果、KATOカプラーを採用した例。
連結間隔の見栄えは上々で、真四角な車体で心配していた急曲線の通過もTOMIXのミニカーブレール程度ならなんとか曲がる。ここで採用したのはKATOのボディマウントナックルカプラーだが、従来のKATOカプラーNやナックルカプラーなどとは全く互換性がなく、寝台客車に装着するためにプロポーション重視で実車に則したサイズで作られているようだ。
⬛改造例②
機能性と見栄えの良さからTNカプラーを採用した例。
改造例①では素材となるカプラーが手に入れにくいなど難点も多いために一部はTNカプラーを採用した。やはり機能性やディテールの面などから見ても信頼性が高い。常磐線からの直通急行"おおあらい"の再現としてキハ58系などとの連結もできるようにもなった。キハ40系用の品番だったはずだが、安定した在庫もあり入手もしやすいのでこちらを本採用とした。ちなみに無理につなげば改造例①のカプラーとも併結できるが、登坂などで開放する可能性が高いのでおすすめしない。
●プリズムケースを目立たなくする
上掲の写真でもわかるように、実車だと乗務員室にあたる部分のライトプリズムが入るケースがきらびやか?な銀色で作られている。これは前部のライトケースとアンチクライマーと一体成型であることによるもので、写真撮影のためにライティングするとものすごく目立ってしまい気になる。
まずは実車の様子から。実車のコックピットは計器類などが収まるダッシュボード周りは茶色に、仕切りなどは室内の化粧板と同じアイボリーで塗られている。プリズムケースには当然プリズムの通り道があるのでその辺の処理に難儀しそうだ。検討のために着色パターンをカプラー同様にいくつか作ってみた。
全部で4パターンに塗り分けてみた。上の画像はサムネイルをクリックすると拡大したりする。
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【A案】
ダッシュボード部:茶色 それ以外:黒色
【B案】
ダッシュボード部:茶色 それ以外:着色なし
【C案】
ダッシュボード部:茶色 それ以外:茶色
【D案】
ダッシュボード部:茶色 それ以外:プリズムカバー部のみ黒色
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そもそも『目立つので隠したい』というテーマの解決を図るための着色だったが、手を抜きたい本心もあったのでダッシュボードの部分だけ塗るというのも試してみた。ただそれでは結果として隠せていないのでボツ。最終的にはA案を本採用しています。マスキングするのも面倒なので油性マジックで大まかに塗るだけにとどめている。あまり大写しに見える部分でもないので十分かと。
精密さにこだわるなら手すりだとかワイパーだとかやりしろは十二分にあると思うが、そのままでも立派に見えるいい車両だ。
レイアウトの主役にするなら話は違うかもしれないが、アクセントとして置いておく分にはそこまで本腰を入れる必要はなくて、最低限カプラーだけでも交換しておけばグッと印象が良くなると思う。あと簡単なお手入れできるところとしては、トイレ窓を白に塗ったり、現在使っていないドア横のサボ受けを撤去したり、サボ受けの枠を白に塗ったりとかだろうか。この6000系は車両ごとに個性があるため、実車を調査しながら追求していって最終的にたくさん並べると楽しそうだ。